皆さま、お子様とのコミュニケーションはどの様なことを心がけていらっしゃいますか?
私はよく本の力を借りてきました。
子育ては成長とともに楽になっていく単純なものでもありません。
乳児、幼児期、児童期、それぞれ別の問題や悩みが出てきますよね。
その中でも今回は、児童期 小学校の中高学年あたりで訪れる「心の変化」に着目し
この時期に活躍した本をご紹介したいと思います。
小学生も中高学年になると、特に女の子はお友達関係も少しずつ複雑になったりします。
そして「自分とは何か」なんていうことを自分と友達を比較したりして考え始めます。
「自分の良いところって?」
「自分の得意なことは?」
私達大人も通ってきた道ですよね。
✔かわいい我が子であるがゆえ感情的になってしまってなかなか上手くいかない、、、
なんてもどかしい気持ちになったことないでしょうか。
私はこのもどかしさに苦しみました。
そんな時に出会ったのが今回ご紹介する本です。
本や絵本は、読みながら子どもが自分自身が語りかけることができたり、
親子で話し合う「きっかけ」をスムーズに作り出してくれます。
親目線の言葉だけでは届かない「大切なこと」が、本の力を借りてスムーズに届く。
そんな経験をしました。
私もまだまだ実践中。より良い親子関係を気づくために
子どもたちの心を育てるために、
参考にしていただければ幸いです。
10歳の君に贈る、心を強くする26の言葉 (著 岩村太郎)
哲学者の言葉を分かりやすくまとめた名言集のような構成で、解説文もあります。
小学生が抱くであろう疑問や悩みを、
①自分について
②友達について
③悪について
④生き方について
⑤命について
と5つの章に分け、それぞれの章で具体的な疑問や悩みに対して、
哲学者たちの言葉を使って子供たちが自ら考えれるよう解説が書かれています。
この本には、
✔子供の頃から哲学について考えると心が強くなる。
✔心が強くなると自然と相手の気持ちを考えられるようになる。
✔考えることは人間力を高めることであり、現代を生きる力になる。
と書かれています。
各章から一つずつピックアップしてご紹介します。
①章 自分についての言葉
Q 他人と比べて劣等感を持ってしまう。
A 劣等感を上手く使えば向上心につながるよ。
精神医で心理学者のアルフレッド・アドラーの言葉「劣等感を友達にしろ」
悪い劣等感は「他人との比較」により生まれる。
良い劣等感は「理想の自分との比較」から生まれる。
「自分はあの人よりサッカーが下手」というような劣等感は、例えその人を超えたとしてもまた別の誰かと比べることになる。
悪い劣等感は考え方が卑屈になってしまう。
大切なのは”目標”を持つこと。その目標にどれだけ近づいているか、冷静に今の自分を見ること。
苦手なことでも必ず上達する。
②章 友達についての言葉
Q 友達が他の子と仲良くしているとムカムカしてしまう。
A 嫉妬は独占欲 人のことを考えられる人間になろう。
ムカムカの正体は「嫉妬」嫉妬は言葉を変えれば「独占欲」
自分が得をすることばかり考えてしまうこと。
ラインホルド・ニーバー「光の子と闇の子」
神学者のニーバーは、著書「光の子と闇の子」の中で人間を「光の子」と「闇の子」に分け
自分の利益ばかりを考えて行動する人「闇の子」は結果的にイライラする事が多くなってしまう。と書いている。
嫉妬してムカムカしないためには、自分のことよりも他人のことを考えて行動する人「光の子」になろう。
③章 悪についての言葉
Q どうしてルール守らなきちゃいけないの?
A ルールは自分以外の人と一緒にいるために必要なんだ
政治哲学者 トマス・ホッブズの言葉「自然状態では、万人の万人に対する闘争が起きる。」
ルールのない無法地帯では、人は人に対して”オオカミ”になると主張した。
富や権力を求めて戦う。争いをしないためのも絶対的な権力統治が必要となって、ルールができた。
ただルールは他人と一緒に生きるための”仮のもの”でもある。
だから状況に応じて、このルールは必要かな?と考える必要もある。
④章 生き方についての言葉
Q どうして勉強しなければいけないの?
A 勉強をするとこれからの人生の選択肢が広がるからだよ。
イギリスの哲学者 フランシス・ベーコンの言葉「知は力なり」
勉強した知識は力になる。この力があればあるほど人生の選択肢が増えて、生き方を自由に選ぶことができる。
知識を身につけるには、机に向かう勉強だけでなく、いろいろなものを見たり聞いたり経験したりすることも大切。「経験論」
今の勉強に役立つかわからないかもしれないけど、ぜひたくさんの知識をつけて未来ある人になってほしい。
⑤章 命についての言葉
Q 死ぬのが怖い
A “死”について考えることが、生きる意味にも通じるよ。
哲学者 マルティン・ハイデガーの言葉「人は残された時間を自覚している”死への存在”」
人間だけがこれから訪れる”死”について教わった考える存在。
多くの人が死から目を背けるが、死と向き合った時に自分の生きる意味や使命を確信し
それに向かって進む決意ができるところから考えた。
これこそが人間の心尊さ。命は有限だからこそ偉大。
<この本の良いと思った点>
✔分かりやすい具体例を使っている。
✔前向きな励ましの言葉で書かれている。
✔読んでいる子供へ語りかけるような口調で書いてある。
✔はっきりと答えを出さずに読み手に考えさせるような書き方をしている。
✔大人にも為になる。
なかよくなることば (著 宮下 真)
争うことなく平穏な毎日こそ幸せの基本。それを望むのは子供も大人も一緒。
この本では、歴史上の人物や偉人など様々なジャンルにおける人生の大先輩たちの名言をもとに
争いをせずに仲良くするためのヒント、戦争の怖さや平和の尊さをやさしく説明しています。
ブッタ
「怒りには怒りを捨てることで打ち勝て、
悪には善の行いによって打ち勝て」
すぐにプンプンおこらない。
そのれんしゅうをしたら、
きっと強くなれるよ
森田まさのり(「ROOKIES」より)
「人に好かれたいなら 人を好きになる事だ
やさしくされたいなら やさしくしよう
自分を信じてほしいなら 人を信じよう」
なかよくなりたいなら、先に相手を好きになろう
マハトマ・ガンジー
「弱い者ほど相手をゆるすことができない。
ゆるすということは、強さの証だ。」
心がしっかり強い人ほど、
相手を許すことができる
坂本龍馬
「世の人はわれをなにとも言わば言え、
わがなすことはわれのみぞ知る。」
きみが本当にやりたいことは
きみ自身がわかっていればいい
老子
「軍隊というのは不吉な道具であり、道を知る人はこれを避ける。
彼は勝っても喜ばない。
戦争を喜ぶことは殺人を楽しむことになる。」
戦争というものは、勝ってもよろこべない戦いなんだ
アインシュタイン
「平和は力では保たれない。平和は力ではただわかり合うことで、
達成できるのだ。」
きみやだれかの力の強さっじゃない、
みんなが
わかり合うことが
平和を守るんだ
マザー・テレサ
こちらは、母親である私が
個人的に深く共感した言葉でもあります。
「まず、自分の家庭を、安らぎと、幸福と、愛に包まれた場所にすることから
始めましょう。」
家族や友だちとなかよくすること。
それが世界中に広がっていけばいいね。
<この本の良いと思った点>
✔大人も一緒に考えながら読み進められる。
✔解説では、子どもたちに語りかけるように優しい言葉でかかれている。
✔子どもたちの抱いているであろう気持ちに共感してくれている。
✔目の前のことだけでなく、世界にも目を向けられる内容になっている。
最後に
本や絵本に書かれている言葉は、時に私達親が伝えようとするよりもスムーズに
子どもたちの心に届く事があります。
私はこの経験を通して、本や絵本を親子で読むことを親子の時間として大切にしようと思いました。
高学年ともなると、どうしても忙しくなり親子の会話も少なくなってくるかもしれません。
親子で一緒に本を読む習慣は、良好な親子関係を築きながら子供の心を育てる
強い味方になってくれると感じています。
これから大人になり社会へ出てゆく子どもたちが、心身ともに健やかに成長してくれることを願って。
よかったらぜひ、読んでみてくださいね。
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