前の記事では、家計管理の3つのステップ(見える化・軸決定・削減)で、私たちの家計が大きく変わったことをお伝えしました。
その中心となったのが、家計簿アプリです。
「でも、家計簿アプリって、使いこなすのが難しそう…」そう感じる方も多いはず。私も最初はそうでした。でも、実は家計簿アプリの本当の価値は「細かく記録すること」ではなく、「何を見える化するか」を決めることなのです。
この記事では、月4万円削減を実現した家計簿アプリの活用方法を、具体例を交えながら、お伝えしていきます。
「記録すべき項目」と「記録不要な項目」を区別する
家計簿アプリを使い始めたとき、私たちが最初に犯した失敗は、すべてを細かく記録しようとしたことです。
コンビニでの100円の買い物から、月々の保険料まで、何もかも記録していました。その結果どうなったか。
三日坊主になりました。
毎日、細かい支出を入力する作業に疲れ果てました。記録するストレスが溜まる一方で、「月々のお金の流れ」という本来見たいデータが、細かい雑音に埋もれてしまったのです。
そこから学んだのが、「記録の粒度を意識する」ということです。
記録すべき項目
固定費
- 電話代、インターネット代、保険料、ローンなど、毎月必ずかかる費用
- なぜ記録すべき?:見落としやすく、削減効果が大きいから
教育費(子ども別)
- 塾費用、習い事、教材費など
- なぜ記録すべき?:子ども一人あたりの費用を把握し、優先度をつけるため
特別費用
- 帰省費用、家具家電の買い替え、車の修理代など、不定期に(突発的に)発生する支出
- なぜ記録すべき?:「なぜ今月こんなに使ったのか」という疑問が解消される
食費と日用品
- 家計の大きな割合を占めるため、月次で把握する必要がある
記録不要な項目
細かすぎる消費
- コンビニでの200円のコーヒー、短時間利用のコインパーキング、頻度の少ないコインランドリーなど
- 記録する手間と得られる情報のバランスが悪い
毎回異なる小額商品
- 本屋での買い物、100均での購入など、カテゴリー分けが複雑になるだけ
一度切りの臨時費用
- 友人への贈り物、応急の医療費など、月ごとの傾向を見る際にノイズになる
実際のアプリに、月々にいくら入力するのかを試してみてから、どの粒度で記録するかを決めるのがコツです。完璧を目指さず、「3ヶ月続けられる」レベルの記録方法を見つけることが大切です。
我が家のカテゴリー分けの工夫
家計簿アプリの多くは、カテゴリー分けをカスタマイズできます。その際、私たちが意識したのは、「家計管理の軸」と連動させるということです。
カテゴリーの設定例
固定費グループ
- 通信費(携帯代、ネット代)
- 保険(生命保険、医療保険、車の保険)
- ローン・借金(住宅ローン、修繕・管理費など)
- 光熱費(電気、ガス、水道)
- サブスク
教育費グループ
- 長男の塾費用
- 長男の習い事(テニス)
- 学用品
- 長女の学費や教材費
生活費グループ
- 食費(スーパー、外食、宅配、ネットなど)
- 日用品
- 医療費
- 衣類
特別費用グループ
- 帰省や旅行
- 家具家電の買い替え
- 車などの修理費
その他
- 交際費、娯楽費など
ポイントは、「子ども別」「固定 vs 変動」「季節性の有無」という軸を組み合わせるということ。こうすることで、後の振り返り時に「どの項目を優先して削減すべきか」が見えやすくなります。
月ごと・カテゴリー別の振り返り方法
記録するだけでは、家計管理は前に進みません。大切なのが、定期的な振り返りです。
毎月の確認ルーチン
月末の30分:サマリーを確認
毎月末に、アプリの「月次サマリー」を確認します。この時点で確認すべきポイントは:
- 今月の支出合計は先月と比べてどうか
- カテゴリー別で、想定より高かった項目はないか
- 固定費に変動はなかったか
例えば、今月の支出が55万円、先月が52万円。「あ、今月は3万円多い」という気づきが生まれます。その時点で、「今月は何が多かったのか」をカテゴリー別に見ることで、原因が分かりやすくなるのです。
子ども別の教育費を把握する
我が家では、教育費を「子ども別」に分けて記録しています。
例えば、こんな具合です:
8月の教育費
- 長女(高2):塾費用2.5万、夏期講習3.5万円 → 計5.5万
- 長男(小6):塾費用1.5万円、テニスレッスン2.7万 → 計4.2万
- 合計9.7万
来年、長男が中学に上がると、塾費用が加わると想定しています。その時点で「子ども別」に見ていれば、「あ、今年は合計で何万円になるのか」が予測しやすくなるわけです。
3ヶ月ごとの総括
毎月の確認だけでなく、3ヶ月ごとに大きく振り返ります。この時点で
- 過去3ヶ月の平均支出はいくらか
- 大きく変動している項目を確認
- 削減の効果が出ているかを測定
このように「短期(月)と中期(3ヶ月・6ヶ月)」2種類くらいのスパンで振り返ることで、一時的な変動と、本当の傾向が見えてきました。
データから見えた「本当の無駄」
家計簿アプリを半年使ってから、私たちが気づいたことがあります。
それは、「想定していた無駄」と「実際の無駄」が全く違うということです。
想定していた無駄
開始前に私たちが「これは削減できるかも」と思っていたのは
- 光熱費(電気やエアコンのつけっぱなし、水の出しっ放しなどが多かったので)
- 食費(買い物のたびにお菓子や余計なものを買わされている感があったので)
実際に見えた無駄
ところがアプリで半年分のデータを眺めていると、全く別の項目が浮かび上がってきました。
通信費:月約1.5円〜2万円
年間約18〜24万円。これは目をむいた金額です。
内訳を確認すると:
- 親2人のスマホ:各8〜9000円
- ネット回線:約7000円
「高い…本当に高い…」
この瞬間、気づきました。「固定費」は、毎月同じ金額が自動で引かれているので、「当然」だと思い込んでいたのです。でも、「当然」ほど見落としやすいものはないのです。
実際に通信費を見直した結果:
-
- 親2人のスマホを大手キャリアから格安SIMに変更:4000円前後 → 3000円前後
- ネット回線:約7000円 → 約4500円
少なくとも、月約7000円は削減できました。
この後、子ども2人がスマホを持つようになり約5000円が加わりましたが、以前の総額を下回りました。
他にも見えてきた無駄:
保険料:月約1.5万円
生命保険、医療保険、がん保険…複数の保険に入っていました。アプリで一覧表示してみると、「え、こんなに入ってたの?」という状態。
保険の見直しで、月約10000円削減できました。
実際の月4万円削減の内訳
さて、ここまでの固定費削減を合計すると、いくらになるのか。
通信費削減:月7000円
保険料削減:月1万円
すでに月約1.7万円です。
残り2万3000円は、どこから生まれたのか。
無駄な習い事の削減:月2万円
家計簿アプリのデータから、「親の期待が上乗せされた額」が見えてきました。
具体的には:
- 娘が「別にいらない」と言った塾費用の一部:月約1万円
- 息子のテニス(レッスン以外の費用):月約1万円
これらを家族で確認した結果、
娘は必要最低限の科目への変更
息子はテニスのレッスン以外(合宿や試合、マッチ練習)の回数を減らすことにしました。
削減額:月約2万円
食費と日用品の最適化:月7000円
アプリでカテゴリー別に食費を見ると、「え、食費だけで月10万円?」という衝撃。
ただし、ここで気づいたのは「食費を削減する」のではなく、「買い物の習慣を変える」ということ。
具体的には:
- スーパーに「行き当たりばったり」で買い物に行かない
- 週単位で献立を決めて、必要なものだけを買う
- 「安いから」という理由で買わない
この習慣改善により、月7000円削減できました。
合計:月4万円
通信費削減: 7000円 保険料削減: 10000円 習い事削減: 20000円 食費最適化: 7000円 ─────────── 合計: 44000円
(四捨五入して、月4万円削減!)
データを「見える化」することの本当の価値
ここまで読んで、あなたは気づいているかもしれません。
家計簿アプリの本当の価値は、「細かく記録できること」ではなく、「データを目の前に出すことで、無意識の習慣に気づくこと」なのです。
通信費15000円も、保険料1.5万円も、一ヶ月、二ヶ月では気づきません。でも、アプリでカテゴリー別に集計されたデータを眺めていると、「あ、これ、高すぎないか?」という違和感が生まれるのです。
その違和感こそが、家計改善の入り口なのです。
これから始める人へ
「でも、家計簿アプリ、難しそう…」
そう感じるあなたに、アドバイスです。
完璧を目指さないことです。
最初から「全ての支出を細かく記録しよう」と思わないこと。むしろ、「自分たちの家計で『見たい』項目だけを記録する」くらいの気持ちで十分です。
また、アプリ選びも重要ですが、どのアプリを選ぶかより、「どのカテゴリーで見える化するか」という方針を決める方が、よっぽど重要です。
アプリは手段に過ぎません。本当に大切なのは、「自分たちの家計の現状を知りたい」という気持ちなのです。
その気持ちがあれば、家計簿アプリは強力なツールになります。
次のブログでは、「家族で家計の話し合いをするコツ」についてお伝えしていきたいと思います。特に、「親の期待」と「子どもの本音」が異なる場合、どのように話し合いを進めるのかについてです。
あなたの家計も、変わるかもしれません。
かかりどき家計と家計管理 では、40代の親世代が直面する教育費の悩みを、実体験に基づいた方法で解決していきます。
次の記事もお楽しみに。



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